こんにちは!腰痛・肩こり・神経痛に対して手技・はり・運動療法を行っている鎌倉駅近くの、ますだ治療院です。
肩の痛みで整形外科を受診して、「画像検査で腱が断裂しているので、これが原因ですね」と言われた方もいらっしゃると思います。
ところが今日は、「必ずしも腱の断裂が痛みの原因ではない」というお話です。
痛みのない人にも腱の断裂がある?
腱の断裂というといかにも痛そうですが、実際には腱が断裂していても痛みを感じない人が結構います。
ある研究では、片方の肩の痛みで来院された患者さん588名に対して、痛くない方の肩のエコーも撮ったところ、177名に腱の断裂が見られたそうです。
つまり、一定数の方はそもそも腱の断裂があるので、それが痛みの原因とは限らないと言えます。
では痛みの原因は何?
では、腱の断裂が原因でない場合の肩の痛みの原因は何でしょう?
実は、肩の痛みの原因は色々あり、その多くが画像の異常はないため分かりづらいです。しかし私は、その中でも下記のような原因が多いと考えています。
①組織のはさみ込み(インピンジメント)
②腕の骨の位置異常(オブリゲートトランスレーション)
③肩甲骨の動きの異常(肩甲上腕リズムの破綻)
④神経の締め付け(絞扼性神経障害)
腱の断裂が原因の場合の対処法は?
明らかに腱の断裂が痛みの原因であったり、断裂の程度がひどい場合は手術の適応になります。
そうでない場合は、「様子を見ましょう」ということが多いようです。
腱の断裂以外が原因の場合の対処法は?
腱の断裂以外が原因の場合は、先に述べたような原因に応じた治療・運動指導を行います。
①であれば、はさみ込みが起こりにくくするための治療・運動指導を、②であれば、腕の骨が正常な位置で動くための治療・運動指導を、③であれば肩甲骨の動きを正常にするための治療・運動指導を、④であれば、神経が締め付けられないようにするための治療・運動を行います。
いずれも治療、運動の片方だけで改善させることは難しく、その組み合わせが必要になります。
最後に
腱の断裂自体は、手術以外の方法で治ることはありません。
しかし前述の通り、腱の断裂以外にも肩の痛みの原因となるものは色々あるので、「様子を見ましょう」と言われたら、腱以外の問題が無いか調べてらうことをお勧めします。
ほかにも痛みやしびれについて書いた記事がありますので、よろしければご覧ください。